東大理系2007:第3問


座標平面上の \(2\) 点 P , Q が, 曲線 \(y=x^2 \ ( -1 \leqq x \leqq 1 )\) 上を自由に動くとき, 線分 PQ を \(1 : 2\) に内分する点 R が動く範囲を \(D\) とする. ただし, \(\text{P} = \text{Q}\) のときは \(\text{R} = \text{P}\) とする.

  1. (1) \(a\) を \(-1 \leqq a \leqq 1\) をみたす実数とするとき, 点 \((a,b)\) が \(D\) に属するための \(b\) の条件を \(a\) を用いて表せ.

  2. (2) \(D\) を図示せよ.


東大理系2007:第4問


以下の問いに答えよ.

  1. (1) 実数 \(a\) に対し, \(2\) 次の正方行列 \(A , P , Q\) が, \(5\) つの条件 \(A = a P +(a+1) Q\) , \(P^2 = P\) , \(Q^2 = Q\) , \(PQ = O\) , \(QP = O\) をみたすとする. ただし, \(O = \left( \begin{array}{cc} 0 & 0 \\ 0 & 0 \end{array} \right)\) である. このとき, \((P+Q) A = A\) が成り立つことを示せ.

  2. (2) \(a\) は正の数として, 行列 \(A = \left( \begin{array}{cc} a & 0 \\ 1 & a+1 \end{array} \right)\) を考える. この \(A\) に対し, (1) の \(5\) つの条件をすべてみたす行列 \(P , Q\) を求めよ.

  3. (3) \(n\) を \(2\) 以上の整数とし, \(2 \leqq k \leqq n\) をみたす整数 \(k\) に対して \(A _ k = \left( \begin{array}{cc} k & 0 \\ 1 & k+1 \end{array} \right)\) とおく. 行列の積 \(A _ {n} A _ {n-1} A _ {n-2} \cdots A _ {2}\) を求めよ.


東大理系2007:第5問


表が出る確率が \(p\) , 裏が出る確率が \(1-p\) であるような硬貨がある. ただし, \(0 \lt p \lt 1\) とする. この硬貨を投げて, 次のルール (R) の下で, ブロック積みゲームを行う.

  1. (R)

    1. [1] ブロックの高さは, 最初は \(0\) とする.

    2. [2] 硬貨を投げて表が出れば高さ \(1\) のブロックを \(1\) つ積み上げ, 裏が出ればブロックをすべて取り除いて高さ \(0\) に戻す.

\(n\) を正の整数, \(m\) を \(0 \leqq m \leqq n\) をみたす整数とする.

  1. (1) \(n\) 回硬貨を投げたとき, 最後にブロックの高さが \(m\) となる確率 \(p _ m\) を求めよ.

  2. (2) (1) で, 最後にブロックの高さが \(m\) 以下となる確率 \(q _ m\) を求めよ.

  3. (3) ルール (R) の下で, \(n\) 回の硬貨投げを独立に \(2\) 度行い, それぞれ最後のブロックの高さを考える. \(2\) 度のうち, 高い方のブロックの高さが \(m\) である確率 \(r _ m\) を求めよ. ただし, 最後のブロックの高さが等しいときはその値を考えるものとする.


東大理系2007:第6問


以下の問いに答えよ.

  1. (1) \(0 \lt x \lt a\) をみたす実数 \(x , a\) に対し, 次を示せ. \[ \dfrac{2x}{a} \lt \displaystyle\int _ {a-x}^{a+x} \dfrac{1}{t} \, dt \lt x \left( \dfrac{1}{a+x} +\dfrac{1}{a-x} \right) \]

  2. (2) (1) を利用して, 次を示せ. \[ 0.68 \lt \log 2 \lt 0.71 \] ただし, \(\log 2\) は \(2\) の自然対数を表す.