\(n\) を \(2\) 以上の自然数とする.
(1) \(n\) が素数または \(4\) のとき, \((n-1) !\) は \(n\) で割り切れないことを示せ.
(2) \(n\) が素数でなくかつ \(4\) でもないとき, \((n-1) !\) は \(n\) で割り切れることを示せ.
【 解 答 】
(1)
1* \(n = 4\) のとき
\(3 ! = 6\) は \(4\) で割り切れない.2* \(n = p\) ( \(p\) は素数)のとき
\(2 , \cdots , p-1\) はいずれも \(p\) と互いに素であるから, これらの積である \((p-1) !\) と \(p\) も互いに素である, つまり, \((p-1) !\) は \(p\) で割り切れない.
よって, 題意は示された.
(2)
\(n\) が素数でも \(4\) でもないとき, 以下の \(2\) つの場合が考えられる.
1* \(n = p^2\) ( \(p\) は \(3\) 以上の素数)のとき
\(2\) から \(n-1\) までの自然数には, \(p , 2p, \cdots , (p-1) p\) の \(p-1\) 個の \(p\) の倍数が含まれる.
よって, これらの積 \((n-1) !\) は \(p^2\) すなわち \(n\) で割り切れる.2* \(n\) が 1* 以外の形で表せる合成数のとき
\(n\) の最小の素因数 \(p\) を用いて, \(n = p M \ ( M \neq p )\) と表せる.
よって, \(2, \cdots , p , \cdots , M , \cdots , n-1\) の積である \((n-1) !\) は \(pM\) すなわち \(n\) で割り切れる.
よって, 題意は示された.