一橋大2016:第3問


硬貨が \(2\) 枚ある. 最初は \(2\) 枚とも表の状態で置かれている. 次の操作を \(n\) 回行ったあと, 硬貨が \(2\) 枚とも裏になっている確率を求めよ.

  1. [操作] \(2\) 枚とも表, または \(2\) 枚とも裏のときには, \(2\) 枚の硬貨両方を投げる. 表と裏が \(1\) 枚ずつのときには, 表になっている硬貨だけを投げる.

【 解 答 】

表の枚数が \(0\) 枚, \(1\) 枚, \(2\) 枚である状態をそれぞれ \(S_0 , S_1 , S_2\) とおく.
操作 \(1\) 回ごとの状態遷移は下図のようになる.

htb20160301

操作 \(n\) 回後に, \(S_0 , S_1 , S_2\) である確率をそれぞれ \(p_n , q_n , r_n\) とおくと \[\begin{align} p_0 & = q_0 = 0 , \ r_0 = 1 \\ p _ {n+1} & = \dfrac{1}{4} p_n +\dfrac{1}{2} q_n +\dfrac{1}{4} r_n \quad ... [1] \\ q _ {n+1} & = \dfrac{1}{2} p_n +\dfrac{1}{2} q_n +\dfrac{1}{2} r_n \quad ... [2] \\ r _ {n+1} & = \dfrac{1}{4} p_n +\dfrac{1}{4} r_n \\ \end{align}\] \(p_n +q_n +r_n = 1\) なので, [2] より, \(n \geqq 1\) において \[ q_n = \dfrac{1}{2} \] [1] に代入すると \[ p _ {n+1} = \dfrac{1}{4} p_n +\dfrac{1}{4} +\dfrac{1}{4} \left( \dfrac{1}{2} -p_n\right) = \dfrac{3}{8} \] ゆえに, \(n \geqq 2\) において \[ p_n = \dfrac{3}{8} \] \(n=1\) のときは \[ p_1 = \dfrac{1}{4} \cdot 0 +\dfrac{1}{2} \cdot 0 +\dfrac{1}{4} \cdot 1 = \dfrac{1}{4} \] よって, 求める確率は \[ \underline{\left\{ \begin{array}{ll} \dfrac{1}{4} & ( \ n = 1 \ \text{のとき} \ ) \\ \dfrac{3}{8} & ( \ n \geqq 2 \ \text{のとき} \ ) \end{array} \right.} \]

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