阪大理系2011:第1問


\(a\) を自然数とする. O を原点とする座標平面上で行列 \(A = \left( \begin{array}{cc} a & -1 \\ 1 & a \end{array} \right)\) の表す \(1\) 次変換を \(f\) とする.

  1. (1) \(r \gt 0\) および \(0 \leqq \theta \lt 2 \pi\) を用いて \(A = \left( \begin{array}{cc} r \cos \theta & -r \sin \theta \\ r \sin \theta & r \cos \theta \end{array} \right)\) を表すとき, \(r\) , \(\cos \theta\) , \(\sin \theta\) を \(a\) で表せ.

  2. (2) 点 Q \(( 1 , 0 )\) に対して, 点 \(\text{Q} _ n \ ( n = 1, 2, \cdots )\) を \(\text{Q} _ 1 = \text{Q}\) , \(\text{Q} _ {n+1} = f( \text{Q} _ n )\) で定める. △\(\text{OQ} _ n\text{Q} _ {n+1}\) の面積 \(S(n)\) を \(a\) と \(n\) を用いて表せ.

  3. (3) \(f\) によって点 \(( 2 , 7 )\) に移されるもとの点 P の \(x\) 座標の小数第一位を四捨五入して得られる近似値が \(2\) であるという. 自然数 \(a\) の値を求めよ. またこのとき \(S(n) \gt 10^{10}\) となる最小の \(n\) の値を求めよ. ただし \(0.3 \lt \log _ {10} 2 \lt 0.31\) を用いてよい.


阪大理系2011:第2問


実数 \(\theta\) が動くとき, \(xy\) 平面上の動点 P \(( 0 , \sin \theta )\) および Q \(( 8 \cos \theta , 0 )\) を考える. \(\theta\) が \(0 \leqq \theta \leqq \dfrac{\pi}{2}\) の範囲を動くとき, 平面内で線分 PQ が通過する部分を \(D\) とする. \(D\) を \(x\) 軸のまわりに \(1\) 回転してできる立体の体積 \(V\) を求めよ.


阪大理系2011:第3問


実数の組 \(( p , q )\) に対し, \(f(x) = (x-p)^2 +q\) とおく.

  1. (1) 放物線 \(y = f(x)\) が点 \(( 0 , 1 )\) を通り, しかも直線 \(y = x\) の \(x \gt 0\) の部分と接するような実数の組 \(( p , q )\) と接点の座標を求めよ.

  2. (2) 実数の組 \(( p _ 1 , q _ 1 ) , \ ( p _ 2 , q _ 2 )\) に対して, \(f _ 1(x) = ( x-p _ 1 )^2 +q _ 1\) および \(f _ 2(x) = ( x-p _ 2 )^2 +q _ 2\) とおく. 実数 \(\alpha , \beta\) (ただし \(\alpha \lt \beta\) )に対して \[ f _ 1( \alpha ) \lt f _ 2( \alpha ) \ \text{かつ} \ f _ 1( \beta ) \lt f _ 2( \beta ) \] であるならば, 区間 \(\alpha \leqq x \leqq \beta\) において不等式 \(f _ 1(x) \lt f _ 2(x)\) がつねに成り立つことを示せ.

  3. (3) 長方形 \(R\) : \(0 \leqq x \leqq 1 , \ 0 \leqq y \leqq 2\) を考える. また, \(4\) 点 \(\text{P} _ 0 ( 0 , 1 )\) , \(\text{P} _ 1 ( 0 , 0 )\) , \(\text{P} _ 2 ( 1 , 1 )\) , \(\text{P} _ 3 ( 1 , 0 )\) をこの順に線分で結んで得られる折れ線を \(L\) とする. 実数の組 \(( p , q )\) を, 放物線 \(y = f(x)\) と折れ線 \(L\) に共有点がないようなすべての組にわたって動かすとき, \(R\) の点のうちで放物線 \(y = f(x)\) が通過する点全体の集合を \(T\) とする. \(R\) から \(T\) を除いた領域 \(S\) を座標平面上に図示し, その面積を求めよ.


阪大理系2011:第4問


\(a , b , c\) を正の定数とし, \(x\) の関数 \(y = x^3 +ax^2 +bx +c\) を考える. 以下, 定数はすべて実数とする.

  1. (1) 定数 \(p , q\) に対し, 次をみたす定数 \(r\) が存在することを示せ. \[ x \geqq 1\quad \text{ならば} \quad \left| px +q \right| \leqq rx \]

  2. (2) 恒等式 \(( \alpha -\beta )( \alpha^2 +\alpha \beta +\beta^2 ) = \alpha^3 -\beta^3\) を用いて, 次をみたす定数 \(k , l\) が存在することを示せ. \[ x \geqq 1 \quad \text{ならば} \quad \left| \sqrt[3]{f(x)} -x -k \right| \leqq \dfrac{l}{x} \]

  3. (3) すべての自然数 \(n\) に対して, \(\sqrt[3]{f(n)}\) が自然数であるとする. このとき関数 \(f(x)\) は, 自然数の定数 \(m\) を用いて \(f(x) = ( x+m )^3\) と表されることを示せ.


阪大理系2011:第5問


正数 \(r\) に対して, \(a _ 1 = 0\) , \(a _ 2 = r\) とおき, 数列 \(\{ a _ n \}\) を次の漸化式で定める. \[ a _ {n+1} = a _ n +r _ n ( a _ n -a _ {n-1} ) \quad ( n = 2, 3, 4, \cdots ) \] ただし \(a _ n\) と \(a _ {n-1}\) から漸化式を用いて \(a _ {n+1}\) を決める際には硬貨を投げ, 表がでたとき \(r _ n = \dfrac{r}{2}\) , 裏がでたとき \(r _ n = \dfrac{1}{2r}\) とする. ここで表がでる確率と裏がでる確率は等しいとする. \(a _ n\) の期待値を \(p _ n\) とするとき, 以下の問いに答えよ.

  1. (1) \(p _ 3\) および \(p _ 4\) を, \(r\) を用いて表せ.

  2. (2) \(n \geqq 3\) のときに \(p _ n\) を, \(n\) と \(r\) を用いて表せ.

  3. (3) 数列 \(\{ p _ n \}\) が収束するような正数 \(r\) の範囲を求めよ.

  4. (4) \(r\) が (3) で求めた範囲を動くとき, 極限値 \(\displaystyle\lim _ {n \rightarrow \infty} p _ n\) の最小値を求めよ.


京大理系2011:第1問


次の各問に答えよ.

  1. (1) 箱の中に, \(1\) から \(9\) までの番号を \(1\) つずつ書いた \(9\) 枚のカードが入っている. ただし, 異なるカードには異なる番号が書かれているものとする. この箱から \(2\) 枚のカードを同時に選び, 小さいほうの数を \(X\) とする. これらのカードを箱に戻して, 再び \(2\) 枚のカードを同時に選び, 小さいほうの数を \(Y\) とする. \(X=Y\) である確率を求めよ.

  2. (2) 定積分 \(\displaystyle\int _ 0^{\frac{1}{2}} ( x+1 ) \sqrt{1 -2x^2} \, dx\) を求めよ.


京大理系2011:第2問


\(a , b , c\) を実数とし, O を原点とする座標平面において, 行列 \(\left( \begin{array}{cc} a & 1 \\ b & c \end{array} \right)\) によって表される \(1\) 次変換を \(T\) とする. この \(1\) 次変換 \(T\) が \(2\) つの条件

  1. (i) 点 \(( 1 , 2 )\) を点 \(( 1 , 2 )\) に移す.

  2. (ii) 点 \(( 1 , 0 )\) と点 \(( 0 , 1 )\) が \(T\) によって点 A, B にそれぞれ移るとき, △OAB の面積が \(\dfrac{1}{2}\) である.

を満たすとき, \(a , b , c\) を求めよ.


京大理系2011:第3問


\(xy\) 平面上で, \(y=x\) のグラフと \(y =\left| \dfrac{3}{4} x^2 -3 \right| -2\) のグラフによって囲まれる図形の面積を求めよ.