\(r\) は \(0 \lt r \lt 1\) をみたす実数, \(n\) は \(2\) 以上の整数とする. 平面上に与えられた \(1\) つの円を, 次の条件【1】, 【2】をみたす \(2\) つの円で置き換えられる操作を (P) を考える.
【1】 新しい \(2\) つの円の半径の比は \(r : 1-r\) で, 半径の和はもとの円の半径に等しい.
【2】 新しい \(2\) つの円は互いに外接し, もとの円に内接する.
以下のようにして, 平面上に \(2^n\) 個の円を作る.
最初に, 平面上に半径 \(1\) の円を描く.
次に, この円に対して操作(P)を行い, \(2\) つの円を得る(これを \(1\) 回目の操作という).
\(k\) 回目の操作で得られた \(2^k\) 個の円のそれぞれについて, 操作 (P) を行い, \(2^{k+1}\) 個の円を得る( \(1 \leqq k \leqq n-1\) ).
(1) \(n\) 回目の操作で得られる \(2^n\) 個の円の周の長さの和を求めよ.
(2) \(2\) 回目の操作で得られる \(4\) つの円の面積の和を求めよ.
(3) \(n\) 回目の操作で得られる \(2^n\) 個の円の面積の和を求めよ.
【 解 答 】
(1)
操作 (P) を行っても, 円の直径の和は不変なので, 周の長さの和は \[ \underline{2 \pi} \]
(2)
任意の半径 \(k\) の円に対して, 操作 (P) を行うと, 得られる円の面積の和は
\[\begin{align}
\pi (rk)^2 & +\pi \left\{ (1-r)k \right\}^2 \\
& = \pi k^2 \left( 2r^2-2r+1 \right)
\end{align}\]
したがって, 円の面積の和は, \(2r^2-2r+1\) 倍になる.
よって, (P) を \(2\) 回行って得られる円の面積の和は
\[
\underline{\pi \left( 2r^2-2r+1 \right)^2}
\]
(3)
(2) と同様に考えれば, 求める面積の和は \[ \underline{\pi \left( 2r^2-2r+1 \right)^n} \]