東工大2016:第2問


\(\triangle \text{ABC}\) を一辺の長さ \(6\) の正三角形とする. サイコロを \(3\) 回振り, 出た目を順に \(X , Y , Z\) とする. 出た目に応じて, 点 P, Q, R をそれぞれ線分 BC, CA, AB 上に \[ \overrightarrow{\text{BP}} = \dfrac{X}{6} \overrightarrow{\text{BC}} , \quad \overrightarrow{\text{CQ}} = \dfrac{Y}{6} \overrightarrow{\text{CA}} , \quad \overrightarrow{\text{AR}} = \dfrac{Z}{6} \overrightarrow{\text{AB}} \] をみたすように取る.

  1. (1) \(\triangle \text{PQR}\) が正三角形になる確率を求めよ.

  2. (2) 点 B, P, R を互いに線分で結んでできる図形を \(T _ 1\) , 点 C, Q, P を互いに線分で結んでできる図形を \(T _ 2\) , 点 A, R, Q を互いに線分で結んでできる図形を \(T _ 3\) とする. \(T _ 1 , T _ 2 , T _ 3\) のうち, ちょうど \(2\) つが正三角形になる確率を求めよ.

  3. (3) \(\triangle \text{PQR}\) の面積を \(S\) とし, \(S\) のとりうる値の最小値を \(m\) とする. \(m\) の値および \(S = m\) となる確率を求めよ.


【 解 答 】

(1)

\(\text{PQ} = \text{QR} = \text{RP}\) となるのは, \(\triangle \text{CPQ} \equiv \triangle \text{AQR} \equiv \triangle \text{BRP}\) のとき, すなわち \(X = Y = Z\) のときである.
よって, 求める確率は \[ \dfrac{6}{6^3} = \underline{\dfrac{1}{36}} \]

(2)

\(T _ 1\) と \(T _ 2\) のみが正三角形となる場合は \[ ( X , Y , Z ) = (1,5,5) , (2,4,4) , (4,2,2) , (5,1,1) \] の \(4\) 通り.
\(T _ 2\) と \(T _ 3\) , \(T _ 3\) と \(T _ 1\) の場合も同様に \(4\) 通りずつあるので, 求める確率は \[ \dfrac{4 \cdot 3}{6^3} = \underline{\dfrac{1}{18}} \]

(3)

\[\begin{align} S & = \triangle \text{ABC} -\triangle \text{BPR} -\triangle \text{CQP} -\triangle \text{ARQ} \\ & = \dfrac{1}{2} \cdot \sin 60^{\circ} \left\{ 6^2 -X(6-Z) -Y(6-X) -Z(6-Y) \right\} \\ & = \dfrac{\sqrt{3}}{4} \underline{\left\{ 36 -X(6-Z) -Y(6-X) -Z(6-Y) \right\}} _ {[1]} \end{align}\] [1] が最小となる場合について考える.
[1] は \(X , Y , Z\) の次数は高々 \(1\) 次なので, \(X , Y , Z\) のうち \(1\) つだけを変数とみなしたときに, 最大, 最小となるのは, 変域の端にあたる \(1\) または \(6\) のときに限られる.
したがって, \(X \leqq Y \leqq Z \ ... [2]\) のもとで考えると, 最小値をとりうる \(X,Y,Z\) の組合せは, 以下の \(4\) 通り

  1. 1* \((X,Y,Z) = (1,1,1)\) のとき \[ [1] = 36 -3 \cdot 5 = 21 \]

  2. 2* \((X,Y,Z) = (1,1,6)\) のとき \[ [1] = 36 -5 -6 \cdot 5 = 1 \]

  3. 3* \((X,Y,Z) = (1,6,6)\) のとき \[ [1] = 36 -6 \cdot 5 = 6 \]

  4. 4* \((X,Y,Z) = (6,6,6)\) のとき \[ [1] = 36 \]

以上より, 最小となるのは, 2* の場合で, このとき \[ m = \dfrac{\sqrt{3}}{4} \cdot 1 = \underline{\dfrac{\sqrt{3}}{4}} \] 条件 [2] を外して考えれば, \(S = m\) となるのは \[ ( X , Y , Z ) = (1,1,6) , (1,6,1) , (6,1,1) \] のときなので, 求める確率は \[ \dfrac{3}{6^3} = \underline{\dfrac{1}{72}} \]

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