東工大2021:第1問


正の整数に関する条件

  1. (*) \(10\) 進法で表したときに, どの位にも数字 \(9\) が現れない.

を考える. 以下の問いに答えよ.

  1. (1) \(k\) を正の整数とするとき, \(10^{k-1}\) 以上かつ \(10^k\) 未満であって条件 (*) を満たす正の整数の個数を \(a_k\) とする. このとき, \(a_k\) を \(k\) の式で表せ.

  2. (2) 正の整数 \(n\) に対して, \[ b_n = \left\{ \begin{array}{ll} \dfrac{1}{n} & ( \ n \ \text{が条件 (*) を満たすとき} \ ) \\ 0 & ( \ n \ \text{が条件 (*) を満たさないとき} \ ) \end{array} \right. \] とおく. このとき, すべての正の整数 \(k\) に対して次の不等式が成り立つことを示せ. \[ \textstyle\sum\limits _ {n=1}^{10^k -1} b_n \lt 80 \]


東工大2021:第2問


\(xy\) 平面上の楕円 \[ E : \ \dfrac{x^2}{4} +y^2 = 1 \] について, 以下の問いに答えよ.

  1. (1) \(a , b\) を実数とする. 直線 \(\ell : y = ax +b\) と楕円 \(E\) が異なる \(2\) 点を共有するための \(a , b\) の条件を求めよ.

  2. (2) 実数 \(a , b , c\) に対して, 直線 \(\ell : y = ax +b\) と直線 \(m : y = ax +c\) が, それぞれ楕円 \(E\) と異なる \(2\) 点を共有しているとする. ただし, \(b \gt c\) とする. 直線 \(\ell\) と楕円 \(E\) の \(2\) つの共有点のうち \(x\) 座標の小さい方を P , 大きい方を Q とする. また, 直線 \(m\) と楕円 \(E\) の \(2\) つの共有点のうち \(x\) 座標の小さい方を S , 大きい方を R とする. このとき, 等式 \[ \overrightarrow{\text{PQ}} = \overrightarrow{\text{SR}} \] が成り立つための \(a , b , c\) の条件を求めよ.

  3. (3) 楕円 \(E\) 上の \(4\) 点の組で, それらを \(4\) 頂点とする四角形が正方形であるものをすべて求めよ.


東工大2021:第3問


以下の問いに答えよ.

  1. (1) 正の整数 \(n\) に対して, 二項係数に関する次の等式を示せ. \[ n {} _ {2n} \text{C} {} _ {n} = (n+1) {} _ {2n} \text{C} {} _ {n-1} \] また, これを用いて \({} _ {2n} \text{C} {} _ {n}\) は \(n+1\) の倍数であることを示せ.

  2. (2) 正の整数 \(n\) に対して, \[ a_n = \dfrac{{} _ {2n} \text{C} {} _ {n}}{n+1} \] とおく. このとき, \(n \geqq 4\) ならば \(a_n \gt n+2\) であることを示せ.

  3. (3) \(a_n\) が素数となる正の整数 \(n\) をすべて求めよ.


東工大2021:第4問


\(S\) を, 座標空間内の原点 O を中心とする半径 \(1\) の球面とする. \(S\) 上を動く点 A, B, C, D に対して \[ F = 2 ( \text{AB}^2 + \text{BC}^2 + \text{CA}^2 ) -3 ( \text{AD}^2 + \text{BD}^2 + \text{CD}^2 ) \] とおく. 以下の問いに答えよ.

  1. (1) \(\overrightarrow{\text{OA}} = \overrightarrow{a}\) , \(\overrightarrow{\text{OB}} = \overrightarrow{b}\) , \(\overrightarrow{\text{OC}} = \overrightarrow{c}\) , \(\overrightarrow{\text{OD}} = \overrightarrow{d}\) とするとき, \(\overrightarrow{a} , \overrightarrow{b} , \overrightarrow{c} , \overrightarrow{d}\) によらない定数 \(k\) によって \[ F = k \left( \overrightarrow{a} +\overrightarrow{b} +\overrightarrow{c} \right) \cdot \left( \overrightarrow{a} +\overrightarrow{b} +\overrightarrow{c} -3 \overrightarrow{d} \right) \] と書けることを示し, 定数 \(k\) を求めよ.

  2. (2) 点 A, B, C, D が球面 \(S\) 上を動くときの, \(F\) の最大値 \(M\) を求めよ.

  3. (3) 点 C の座標が \(\left( -\dfrac{1}{4} , \dfrac{\sqrt{15}}{4} , 0 \right)\) , 点 D の座標が \(( 1 , 0 , 0 )\) であるとき, \(F = M\) となる \(S\) 上の点 A, B の組をすべて求めよ.


東工大2021:第5問


\(xy\) 平面上の円 \(C : x^2 +(y-a)^2 = a^2 \ ( a \gt 0 )\) を考える. 以下の問いに答えよ.

  1. (1) 円 \(C\) が \(y \geqq x^2\) で表される領域に含まれるための \(a\) の範囲を求めよ.

  2. (2) 円 \(C\) が \(y \geqq x^2 -x^4\) で表される領域に含まれるための \(a\) の範囲を求めよ.

  3. (3) \(a\) が (2) の範囲にあるとする. \(xy\) 平面において連立不等式 \[ | x | \leqq \dfrac{1}{\sqrt{2}} \ , \ 0 \leqq y \leqq \dfrac{1}{4} \ , \ y \geqq x^2 -x^4 \ , \ x^2 +(y-a)^2 \geqq a^2 \] で表される領域 \(D\) を, \(y\) 軸のまわりに \(1\) 回転させてできる立体の体積を求めよ.