名古屋大理系2021:第1問


\(a\) を正の実数とする. 放物線 \(y = x^2\) を \(C_1\) , 放物線 \(y = -x^2 +4ax -4 a^2 +4 a^4\) を \(C_2\) とする. 以下の問に答えよ.

  1. (1) 点 \(( t , t^2 )\) における \(C_1\) の接線の方程式を求めよ.

  2. (2) \(C_1\) と \(C_2\) が異なる \(2\) つの共通接線 \(\ell , \ell '\) を持つような \(a\) の範囲を求めよ. ただし, \(C_1\) と \(C_2\) の共通接線とは, \(C_1\) と \(C_2\) の両方に接する直線のことである.

以下, \(a\) は (2) で求めた範囲にあるとし, \(\ell , \ell '\) を \(C_1\) と \(C_2\) の異なる \(2\) つの共通接線とする.

  1. (3) \(\ell , \ell '\) の交点の座標を求めよ.

  2. (4) \(C_1\) と \(\ell , \ell '\) で囲まれた領域を \(D_1\) とし, 不等式 \(x \leqq a\) の表す領域を \(D_2\) とする. \(D_1\) と \(D_2\) の共通部分の面積 \(S(a)\) を求めよ.

  3. (5) \(S(a)\) を (4) の通りとする. \(a\) が (2) で求めた範囲を動くとき, \(S(a)\) の最大値を求めよ.


名古屋大理系2021:第2問


\(4\) つの実数を \(\alpha = \log_2 3\) , \(\beta = \log _3 5\) , \(\gamma = \log _5 2\) , \(\delta = \dfrac{3}{2}\) とおく. 以下の問に答えよ.

  1. (1) \(\alpha \beta \gamma = 1\) を示せ.

  2. (2) \(\alpha , \beta , \gamma , \delta\) を小さい順に並べよ.

  3. (3) \(p = \alpha +\beta +\gamma\) , \(q = \dfrac{1}{\alpha} +\dfrac{1}{\beta} +\dfrac{1}{\gamma}\) とし, \(f(x) = x^3 +p x^2 +q x +1\) とする. このとき \(f \left( -\dfrac{1}{2} \right)\) , \(f( -1 )\) および \(f \left( -\dfrac{3}{2} \right)\) の正負を判定せよ.


名古屋大理系2021:第3問


\(1\) から \(12\) までの数字が下図のように並べて書かれている. 以下のルール (a) , (b) と (終了条件) を用いたゲームを行う, ゲームを開始すると最初に (a) を行い, (終了条件) が満たされたならゲームを終了する. そうでなければ (終了条件) が満たされるまで (b) の操作を繰り返す. ただし, (a) と (b) における数字を選ぶ操作はすべて独立な試行とする.

  1. (a) \(1\) から \(12\) までの数字のどれか \(1\) つを等しい確率で選び, 下の図において選んだ数字を丸で囲み, その上に石を置く.

  2. (b) 石が置かれた位置の水平右側または垂直下側の位置にある数字のどれか \(1\) つを等しい確率で選び, その数字を丸で囲み, そこに石を移して置く. 例えば, 石が \(6\) の位置に置かれているときは, その水平右側または垂直下側の位置にある数字 \(7, 8, 9, 10, 12\) のどれか \(1\) つの数字を等しい確率で選び, その数字を丸で囲み, そこに石を移して置く.

  3. (終了条件) \(5, 9, 11, 12\) の数字のどれか \(1\) つが丸で囲まれ石が置かれている.

ゲームの終了時に数字 \(j\) が丸で囲まれている確率を \(p_j\) とする. 以下の問に答えよ.

ngr20210301
  1. (1) 確率 \(p_2\) を求めよ.

  2. (2) 確率 \(p_5\) と \(p_{11}\) を求めよ.

  3. (3) 確率 \(p_5 , p_9 , p_{11} , p_{12}\) のうち最も大きいものの値を求めよ.


名古屋大理系2021:第4問


\(0 \leqq a \lt 1\) を満たす実数 \(a\) に対し, 数列 \(\{ a_n \}\) を \[ a_1 = a , \qquad a _ {n+1} = 3 \left[ a_n +\dfrac{1}{2} \right] -2 a_n \quad ( n = 1, 2, 3, \cdots ) \] という漸化式で定める. ただし \([x]\) は \(x\) 以下の最大の整数を表す. 以下の問に答えよ.

  1. (1) \(a\) が \(0 \leqq a \lt 1\) の範囲を動くとき, 点 \(( x , y ) = ( a_1 , a_2 )\) の軌跡を \(xy\) 平面上に図示せよ.

  2. (2) \(a_n -[ a_n ] \geqq \dfrac{1}{2}\) ならば, \(a_n \lt a _ {n+1}\) であることを示せ.

  3. (3) \(a_n \gt a _ {n+1}\) ならば, \(a _ {n+1} = 3 [ a_n ] -2 a_n\) かつ \([ a _ {n+1} ] = [ a_n ] -1\) であることを示せ.

  4. (4) ある \(2\) 以上の自然数 \(k\) に対して, \(a_1 \gt a_2 \gt \cdots \gt a_k\) が成り立つとする. このとき \(a_k\) を \(a\) の式で表せ.


名古屋大理系2016:第1問


曲線 \(y = x^2\) 上に \(2\) 点 A \(( -2 , 4 )\) , B \(( b , b^2 )\) をとる. ただし \(b \gt -2\) とする. このとき, 次の条件を満たす \(b\) の範囲を求めよ.

  1. 条件: \(y = x^2\) 上の点 T \(( t , t^2 ) \ ( -2 \lt t \lt b )\) で, \(\angle \text{ATB}\) が直角になるものが存在する.

名古屋大理系2016:第2問


\(2\) つの円 \(C : \ (x-1)^2 +y^2 = 1\) と \(D : \ (x+2)^2 +y^2 = 7^2\) を考える. また原点を O \(( 0 , 0 )\) とする. このとき, 次の問に答えよ.

  1. (1) 円 \(C\) 上に, \(y\) 座標が正であるような点 P をとり, \(x\) 軸の正の部分と線分 OP のなす角を \(\theta\) とする. このとき, 点 P の座標と線分 OP の長さを \(\theta\) を用いて表せ.

  2. (2) (1) でとった点 P を固定したまま, 点 Q が円 \(D\) 上を動くとき, \(\triangle \text{OPQ}\) の面積が最大になるときの Q の座標を \(\theta\) を用いて表せ.

  3. (3) 点 P が円 \(C\) 上を動き, 点 Q が円 \(D\) 上を動くとき, \(\triangle \text{OPQ}\) の面積の最大値を求めよ.

ただし, (2) , (3) においては, \(3\) 点 O , P , Q が同一直線上にあるときは, \(\triangle \text{OPQ}\) の面積は \(0\) であるとする.


名古屋大理系2016:第3問


玉が \(2\) 個ずつ入った \(2\) つの袋 A , B があるとき, 袋 B から玉を \(1\) 個取り出して袋 A に入れ, 次に袋 A から玉を \(1\) 個取り出して袋 B に入れる, という操作を \(1\) 回の操作と数えることにする. A に赤玉が \(2\) 個, B に白玉が \(2\) 個入った状態から始め, この操作を \(n\) 回繰り返した後に袋 B に入っている赤玉の個数が \(k\) 個である確率を \(P _ n (k) \ ( n = 1, 2, 3, \cdots )\) とする. このとき, 次の問に答えよ.

  1. (1) \(k = 0, 1, 2\) に対する \(P _ 1 (k)\) を求めよ.

  2. (2) \(k = 0, 1, 2\) に対する \(P _ n (k)\) を求めよ.


名古屋大理系2016:第4問


次の問に答えよ. ただし \(2\) 次方程式の重解は \(2\) つと数える.

  1. (1) 次の条件 (*) を満たす整数 \(a , b , c , d , e , f\) の組をすべて求めよ. \[ \text{(*)} \ \left\{ \begin{array}{l} 2 \text{ 次方程式 } x^2 +ax +b = 0 \text{ の } 2 \text{ つの解が } c , d \text{ である. } \\ 2 \text{ 次方程式 } x^2 +cx +d = 0 \text{ の } 2 \text{ つの解が } e , f \text{ である. } \\ 2 \text{ 次方程式 } x^2 +ex +f = 0 \text{ の } 2 \text{ つの解が } a , b \text{ である. } \end{array} \right. \]

  2. (2) \(2\) つの数列 \(\{ a _ n \} , \{ b _ n \}\) は, 次の条件 (**) を満たすとする.

    1. (**) すべての正の整数 \(n\) について, \(a _ n , b _ n\) は整数であり, \(2\) 次方程式 \(x^2 +a _ n x +b _ n = 0\) の \(2\) つの解が \(a _ {n+1} , b _ {n+1}\) である.

 このとき

  1. (i) 正の整数 \(m\) で, \(| b _ m | = | b _ {m+1} | = | b _ {m+2} | = \cdots\) となるものが存在することを示せ.

  2. (ii) 条件 (**) を満たす数列 \(\{ a _ n \} , \{ b _ n \}\) の組をすべて求めよ.